星子（空３1）

　星子さん。二度目の空だ。一度目、あれは四年ぐらい前だったと思う。あのとき、大学最終学年の卒業試験が終わったばかりのときだった。２月の始めだった。大阪目指して大村から飛び立った。今は東京目指して福岡から飛び立った。四年前、あのときは苦しいときだった。今も、苦しいかもしれない。でも今の僕には信仰がある。星子さんが生きていた頃やっていた創価学会の信仰を僕は再びやり始めた。

　四年前、僕は“死”を考えていた。自殺直前の僕だった。信仰に戻ろうか迷いながらも気功法で治そうと思い大阪の気功法の所へ行きつつあった。今も、僕はその病気に苦しんでいる。しかも三年前に交通事故で頭蓋骨骨折し、人の名前もあまり憶えきれなくなった僕だ。

　しかし今僕の病気は治りつつある。歯の噛み合わせで病気を治すテンプレート療法で治りつつある。やっと、ずっと僕を苦しめていた病気から解放されつつある。

　しかし、現実は厳しく、なかなか治らないでいる現状だ。治りつつありながら一進一退を繰り返している。

　昨夜も学会活動をした。題目も３時間ぐらいあげたと思う。寝たのは３時だった。だから３時間ぐらいしか眠っていない。

　僕は再生しつつある。四年前のめそめそした僕ではない。

　星子さん、僕は今、ヒルトン・ベイ・ホテルにいる。とても有名なホテルだ。

　窓を開けると海が見える。でも見えるのは幻の海なのかもしれない。

　僕は３２歳になった。昨夜、再び創価学会に完全にカムバックしようと誓った僕だ。

　でもカムバックは容易じゃない。今まで３年間の不十分なカムバックのままの状態が続くのかもしれない。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（July.8.1994）

　

昨日、窓を開けると海が見えると書いたけど、窓を開けると本当に海が見える。小さな漁船もあるし（星子さんが生きていた頃の２０年前のあの頃の小さな小さな漁船が。）コンブでも取っているのかもしれない。

　でもここは東京の海だ。長崎から遠く離れた東京の海だ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（July.9.1994）

http://sky.geocities.jp/mmm82888/2975.htm