長崎より

 

                            カメ太郎

 

長崎より来ましたカメ太郎と申します。昼間、研究室で教授と口論になり、その解剖学教室を辞めようか迷っていたとき、ここの院長先生から携帯電話が来て、そして自分のMac classicなどを持ち、誰も居ない中、解剖学教室を出ました。

家に帰り、布団などをクルマに積み、夕方、長野へ出発しました。

『長野は5月になっても雪が降っており、とても寒いところ』と思っていました。母は旅立つ僕にクルマの窓越しに分厚いジャンバーを持ってゆくように渡しました。僕は「必要ない」と言いましたが、しぶしぶ、そのジャンバーを持ってゆくことにしました。

夕暮れでした。長野まで高速を1250km、これを今夜休みを取らずに長野へ向かおうと思っていました。

途中でトイレに3回ほど行きました。缶コーラを眠気覚ましにたくさん持ってきていて長野に着くまで10本ほど運転しながら飲みました。

高速で12時間半でした。長野は夜の明けるのが早いなあと驚きました。ちょうど陽が登り掛けているときに長野に着きました。

雪は何処にもありませんでした。そしてすぐに栗田病院が見つかり、院長から朝御飯を腹いっぱい食べさせてもらいました。遠く長崎から来て訳のわからないことが沢山ありますが宜しくお願いします。

 

               (完)

 

 

長野県医学新報(新医局員紹介)平成5年6月号

 

http://sky.geocities.jp/mmm82888/index.htm